CSR

未来への応答

私たちの取り組み

働く人がいきいきと活躍できるようにするには?

日光ケミカルズ株式会社
総務部
関 啓輔

研修や学びの機会を充実させ、働く人の成長を支えています。

2016年から日光ケミカルズの総務部で働いています。オフィスや備品の管理から、勤怠管理、採用活動のサポートなど、総務・人事関係の業務を幅広く担当してきました。日光ケミカルズでは研修にも力を入れており、ビジネスパーソンとしての能力を高める研修や、ニッコールグループとしてのブランドのあり方を考えるブランド研修を行っており、社員に参加を呼びかけています。外部の研修や試験を受ける社員に最大で半額を支給する自己啓発支援の制度も整っていて、社員の成長への支援を惜しまない社風があると感じています。

近年は「joint」をキーコンセプトに、グループ各社の力を合わせていこうという考えのもと、日光ケミカルズだけで行っていた研修をグループ全体に呼びかけ、一緒に行うように変えてきています。ただ、従来から新入社員研修は、グループとしての研修を大事にしています。私も新人の頃はグループ各社で1週間ずつの研修を経験しましたし、過去には各社で1ヶ月ずつの研修を行っていたと聞いています。また、日光ケミカルズの営業部の新入社員は、秋にもう一度、日本サーファクタント工業へ、実際の製造業務の研修に行っています。私自身、研修を通じてグループ他社のメンバーと知り合え、その取り組みを学べることはとてもためになったと思っています。

家族的な社風を大切にして、働く人の人生をもっと豊かに。

総務部に勤務して感じているのは家族的な社風です。社員に子どもが生まれたらお祝い金を支給する慶弔のお見舞金などの充実は、社員の家族までを見つめているからこその制度だと思います。現在は行っていませんが、過去には、社員の子どもが小学校に入学したら会社からランドセルをプレゼントする制度もあったそうです。社長や役員も社員の働くフロアでよく見かけますし、気軽に話せる関係があります。私も自社の社員の顔と名前は全て一致します。よりよい環境を整え、社員とその家族のいきいきとした人生に貢献することが、私の社会的責任だと考えています。

合同テーマ提案会議

開発初期段階のテーマから日光ケミカルズ営業部・国際部とコスモステクニカルセンターでは合同ディスカッションを行います。それぞれの視点、知見を持ち寄り、世界のニーズに応える製品開発の早期化を図っています。

プロビジネスマン研修

プロビジネスマンに必要な要素と経営ツール「BSC」などへの理解を深め、さらにトップマネジメントとの直接の対話、価値観の共有を通して、自分自身がどのように変化し、状況を変えてゆくかを見出していきます。


業界全体の持続的な発展に貢献するには?

日光ケミカルズ株式会社
R&Dセンター 中央研究所 開放研究室
原田 幸枝

お客様に開かれた「開放研究室」で、国内外のお客様に講習を行っています。

私が勤務する「開放研究室」は、お客様の研修・研究の場として、ニッコールグループが1976年から開放している研究室です。私はここで研修プログラムのインストラクターをしており、私たちのお客様である化粧品メーカー様、医薬品メーカー様、食品メーカー様など、国内外の企業に勤務する方々を対象に、界面活性剤や乳化についてレクチャーしています。最も多くの方にご利用いただいているのは1週間の基礎コースです。様々な企業の入社2~3年目くらいの方々に、講義だけでなく、実験室での試作実習も行い、乳化や可溶化の基礎を学んでいただいています。近年は海外からも年間100人ほどが研修に来られ、世界的にも進んでいる日本の化粧品技術を熱心に学んでいかれます。化粧品の中で何がどう動いているか、界面活性剤の振る舞いを理解して、より適切に業務の中で使えるようになっていただけるように、正しく、わかりやすい講義を心がけています。研修だけでなく、自社の開発プロジェクトの試作や検討を開放研究室で行う「持ち込みテーマ」も受け入れています。以前に基礎コースで学んだ方が、しばらく経ってから自分のテーマを持って再度来てくださることもあり、嬉しくなります。

人と人を信頼でつなぐ。私自身がインターフェースになる。

入社以来、先輩たちが続けてきた開放研究室の取り組みや 「ハンド ブック」の出版を見てきて、技術を積極的に業界に開示していく姿勢は 当たり前のことだと、 そのユニークさに気づかずに過ごしてきました。 しかし、自分自身がインストラクターとして多くの業界の方に接する ようになって、 「来てよかった」 「新しい発見があった」と感謝のお言葉 をいただくと、業界全体の発展を考えてきた取り組みの意義に気づき ます。 またこのようにオープンにしていることで、 私たちの新しい課題 も見つけられるのだと思います。 これからもお客様に真摯に向き合って、 私自身が界面活性剤のように、インターフェースとして企業の枠を 超えた人の信頼関係づくりに貢献していきます。

研修を無償提供「開放研究室」

お客様のために開かれた研究室として、基礎研修だけでなく、中堅技術者向けの応用技術研修、メーカーの開発期間短縮を目的とした「持込みテーマコース」もあります。

技術を公開する「ハンドブック」

創立15周年を迎えた1960年から、周年の節目ごとに、化粧品の原料や製剤化技術などを掲載した「ハンドブック」を刊行。今も化粧品づくりの教科書的存在として、世界各地の化粧品メーカーの技術向上に活用いただいています。


自然環境に負荷をかけない工場になるには?

日本サーファクタント工業株式会社
設備環境本部 環境部次長 兼 環境2Gチーフ
森田 康行

排水・廃棄物処理の法規の遵守を徹底。リスク予防にも力を入れています。

化粧品や医薬品の原料となる化学製品を製造する日本サーファクタントでは、2012年に環境省の定めた「エコアクション21」認証を、2013年には欧州化粧品原料連合の適正製造規範EFfCIの認証を取得するなど、環境・品質への対応に力を入れてきました。2018年にはRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)のサプライチェーン認証も取得しています。
私が所属する環境部では、事業所の排水や廃棄物を適正に処理する役割を担っています。宇都宮事業所では1日に140トンもの排水が出ます。何百種類という製品をつくっているので、処理する排水の中身も変わります。それに合わせて薬剤の量を変えたり、有機物を分解する微生物の活動を調整したりして、放出基準をクリアする調整を行っています。人間の目でチェックするだけでなく、pHの異常を検知すると排水を流さずに戻す自動化システムや、民間レベルでは国内初のジオキサン除去装置など、排水処理の装置も高いレベルのものを設置しています。有害な物質を決して流さないという緊張感を持って、常にプロセスを見直し、点数付けをしてリスク予防策をアップデートしています。

自社、自部門の利益だけにとらわれず、相乗効果でレベルアップしていく。

事業活動において何らかの判断が必要なときに、自社の利益、自部門の利益だけではなく、他の利害関係者すべてのなかでのベストな判断をするべきだと思いますが、私たちにはその社風があると思います。
部門長が話し合って導き出す判断に、「さすがだな」と思ったことは何回もあります。近年は社内にCSR委員会をつくり、各部門がそれぞれ行ってきた取り組みを報告し合うなど、未来に向けての目標を一緒に定めるようになりました。また製造・販売・開発・評価という様々な機能を持っているのがニッコールグループの強みです。グループ各社が協力することでさらに可能になる社会貢献もあると思います。相乗効果でレベルアップしていきます。

「1,4-ジオキサン除去装置」の導入

生産プロセスの副生物質として排水に含まれる1,4-ジオキサンの除去装置を導入しています。装置は実験機を除いて、工場排水のレベル量で処理ができるものとしては民間レベルでは国内初で、複塔シリーズ方式も国内初です。

パーム油のRSPO認証を取得

本サーファクタント工業は、2018年12月に持続可能なパーム油の生産と利用を促進することを目的とした国際的な非営利組織RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)のサプライチェーン認証を取得しています。


地域社会に愛され続ける企業になるには?

ベルジュラックジャポン株式会社
製造グループ 充填チーム
君島 尚樹

地域の女性が働きやすい職場づくりに力を入れています。

ベルジュラック・ジャポンはフランスのCHROMA DURIN社で開発・製造されたトルエンフリー、ホルマリンフリー、フタル酸ジブチル(環境ホルモン)フリーの原料を使用し、高品質なネイルエナメル・ネイルケア製品の設計、開発、受託製造を行っています。自然豊かな栃木県大田原市に第一工場、第二工場を有し、生産する製品は1日数万本にのぼります。
私は中身を瓶に詰め、ラベルを貼り、製品として仕上げる充填工程で使う様々な装置や機械類の設計・プログラミングを担当しています。
埃の侵入を防ぐ環境を整えたクリーンな作業室で、人の目による検品を含む繊細な業務を担う充填チームは9割以上が女性です。近隣地域から通う10代後半から60代までの女性メンバーが活躍しています。
会社としても、時短勤務などの様々な働き方を可能にして女性の活躍を支援しています。工場も清潔で冷暖房完備ですし、正社員ではないメンバーの資格取得も援助するなど、働く人の成長への手厚い支援が特徴です。

「開放研究室」のように、私たちの技術をレクチャーする学びの場になれたら。

そのような社風もあって、職場は元気で積極的な雰囲気で、週1回の業務改善のミーティングでは多くのアイデアの発言があり、常に改善に活かされています。これからも法規を遵守し、安全な製品をつくることや環境負荷の低減は当然の社会的責任として果たしながら、ニッコールグループらしい奉仕の精神で、那須の地域に、よりプラスアルファの貢献をしていきたいと個人的には思っています。地域の女性の雇用にこれからも貢献し、さらには、コスモステクニカルセンターの「開放研究室」のように、ベルジュラックジャポンの技術を興味のある方にレクチャーできるような場がつくれたら、この地域にこの会社があることをもっと知ってもらい、誇りに思ってもらえるのではないかと考えています。

地域の女性の様々な就労を支援

様々な立場にある地域の女性の就業を支援するため、フルタイムでの勤務以外にも、15時までの時短勤務や、土曜日だけ勤務するスタイルなど、いくつかの働き方が可能な制度を設けています。

正社員に限らない資格取得の援助

正社員に限らずそれ以外の従業員にも、資格取得のための勉強や試験に補助金を出す支援を行っています。その制度を利用し、危険物取扱者の資格を取得したり、色彩検定の勉強をしてネイリストになったメンバーもいます。


世界のニーズを自分たちの中に取り込むには?

日光ケミカルズ株式会社
執行役員 購買本部 本部長
ユーリ トロイツキー

サプライチェーン全体で社会的責任を果たすために。

モスクワで生まれ育ち、モスクワ大学を経て日本の大学を卒業後、日光ケミカルズに入社しました。海外事業部で約20年、世界各地のお客様への販売活動に取り組み、現在は購買本部に勤務しています。最近の10年、力を入れてきたのが、グローバルでの環境意識の高まりを、ニッコールグループ内や日本の業界に伝えることです。世界的な化粧品メーカーが消費者に環境への配慮を約束するようになり、原料調達にも厳しい基準が提示されるようになっています。外国人比率も多く、グローバル企業のメンタリティを持ったニッコールグループは高いレベルの排水処理装置の導入や、RSPO認証パーム油の使用などに早めに取り組むことができました。ただ私たちだけでなく、サプライチェーン全体でベクトルを合わせなければ、持続可能な社会づくりに貢献することはできません。日本の化粧品産業が世界の潮流に遅れをとることのないよう、世界の基準に今から備えましょうと日本国内の他社にも働きかけてきました。繋がって強くなる「joint」はニッコールグループの大事な文化。これからも世界のニーズと産業をジョイントする要となって、社会に貢献していきます。


世界にニッコールグループの想いを伝えるには?

日光ケミカルズ株式会社
パーソナルケア事業本部 海外事業部
ナパ チャオバナオパス(クワン)

世界各地の販売代理店との繋がりを深めています。

タイでの学生時代に化学工学を専攻していたので、ニッコールグループの製品の良さはよく知っており、この会社で自分も働きたいと強く思うようになり、入社しました。2012年から海外事業部の一員として海外営業を担当しています。品質の高さは海外で販売していく上でも大きな強みです。環境に配慮した製品では、エステル油である「NIKKOL GS(Green Sustainable)シリーズ」や、セルロースナノファイバー「アウロ・ヴィスコ™ CS」が高い評価を受けています。
海外の販売代理店の皆さんにニッコールグループをより知っていただきたいと考え、私が企画して5年前から始めたのが「ジョイントキャンプ」という宿泊型の研修会です。ニッコールグループの歴史や理念についてクイズ形式で出題して知っていただいたり、座学だけではない体験型の楽しい企画も行い、好評をいただいています。日本は子どもの頃からゴミの分別を教えたりする中で、社会への責任感が育ち、それが高い品質意識に繋がっていると感じています。環境問題の鍵を握るのはやはり人間。人の行動の変化に繋がる働きかけを「ジョイントキャンプ」で企画し、世界に発信していきたいです。

今までの事業の枠を超え、人類の進歩に貢献する取り組みにも挑戦しています

宇宙空間での生活環境を向上させるため、微小重力環境下での乳化のメカニズムを解明する「EDDIプロジェクト」に参画

やがて訪れる人類が宇宙を活動拠点としていく時代を見据え、宇宙空間という特殊な生活環境でも、洗浄剤や化粧品といった乳化を利用した製品により、“人々の生活の質の向上”を実現する必要があります。ニッコールグループは、ヨーロッパの22カ国が加盟する欧州宇宙機関ESAにおいて進むプロジェクトの一つ、「EDDIプロジェクト」に日本の民間企業として唯一参画。世界的にも評価の高いニッコールグループの非イオン性界面活性剤を提供し、微小重力下における乳化のメカニズムの解明に貢献しています。2019年のコロイド界面化学討論会においても宇宙をテーマにしたシンポジウムが組まれ、このプロジェクトが高い関心を集めており、技術開発に期待が高まっています。私たちの原料とノウハウで、宇宙時代にも貢献していきます。

ESA:European Space Agency
EDDI:The project of Emulsion Dynamic and Droplet Interface

泥汚れが付着した文化財に、界面活性剤で鮮やかな色彩を取り戻す。イタリアの研究者との共同研究で実証

地球の気候変動により様々な災害が起こり、文化財への汚れの付着が大きな課題となっています。なかでもイタリアは歴史的に洪水の被害が多く、壁画・絵画本来の色彩を取り戻すためには、絵画等に使用される顔料を残したまま泥汚れだけを選択的に落とす技術が極めて重要でした。私たちはイタリア・フィレンツェ大学バリオーニ教授らとの共同研究により、私たちの界面活性剤が泥汚れに対する選択洗浄作用を示し、且つ、それを精密に制御できることを見出しました。この技術は世界的に課題になっている汚れの付着によって劣化した様々な文化遺産の色彩の復元に応用できる可能性があり、それらの修復に貢献していきたいと考えています。

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